2026.04.22
会社ニュース
内部すきまの調整は、ステンレスベアリングの取付けや調整作業において重要な技術の一つです。適切なすきまは、ベアリング単体の運転状態だけでなく、設備全体の安定性や寿命にも大きく影響します。ステンレスベアリングメーカーである瀛鴻伝動では、内部すきまの設定を重要な設計・使用条件の一つとして重視しています。
では、ステンレスベアリングの「内部すきま」とは何を指すのでしょうか。
内部すきまとは、単体のベアリング、または複数のベアリングで構成されるシステム内部に存在するすきま、あるいは場合によっては締め代を指します。ベアリングの種類や測定方法によって、内部すきまは主にラジアルすきまとアキシアルすきまに分けられます。
内部すきまが大きすぎても小さすぎても、ベアリングの寿命を大きく低下させる可能性があります。また、設備全体の運転安定性にも影響するため、適切な内部すきまを設定することが非常に重要です。
内部すきまの調整方法は、ベアリングの種類によって異なります。一般には、すきま調整ができないタイプと、調整可能なタイプに分けられます。
すきま調整ができないベアリングは、出荷時に内部すきまが設定されているタイプです。代表例として、深溝玉軸受、自動調心ころ軸受、円筒ころ軸受などがあります。
一方、すきま調整が可能なベアリングでは、軌道輪同士の軸方向位置を調整することで、目的に応じた内部すきまを得ることができます。代表例として、円すいころ軸受、アンギュラ玉軸受、一部のスラスト軸受などがあります。
調整できないタイプのベアリングについては、C3、C4などの規格すきまに加え、用途に応じて特定のすきま範囲を指定することも可能です。
軸径やハウジング穴径が決まると、それに応じて内輪・外輪のはめあい量も決まります。そのため、組付け後の内部すきまは自由に変更できません。また、設計段階でははめあい量に一定の許容範囲があるため、最終的な内部すきまにも幅が生じます。このため、極めて高いすきま精度が要求される用途では、より慎重な設計が必要となります。
最適な運転すきまは、荷重、回転速度、構造条件などの使用条件と、長寿命、高剛性、低発熱、保守性といった要求性能によって決まります。
ただし、多くの用途では運転中のすきまを直接調整することができません。そのため、実際の使用条件を分析し、設計値や経験に基づいて、組付け後に適切な内部すきまが得られるよう事前に設定することが重要です。